助動詞のmustには、義務と許可の意味があります。
まず、mustの持つ義務の意味「〜しなければならない」について解説します。
mustもcanと同じ助動詞なので、動詞の前に置いて動詞に意味を加えます。
実際に、義務のmustを用いた以下の文をみてみましょう。
He must run fast. 「彼は、速く走らなければならない。」
助動詞の後ろは必ず動詞の原形なので、主語が三人称単数でも動詞の最後にsを付けません。この場合、runsとならないので注意しましょう。
否定文は、mustの後ろにnotを付け、意味は「〜してはいけない」となります。よって、先ほどの肯定文を否定文に書き換えると、以下のようになります。
He must not run fast. 「彼は、速く走ってはいけない。」
must notの省略形musn'tを用いて、以下のように書くこともできます。
He mustn't run fast.
mustn'tは、「マスント」と読みます。
疑問文は、mustを主語の前に出し、文末にクエッションマーク?を付けます。そして、疑問文の意味は「〜しなければいけませんか」となります。
よって、先ほどの文を疑問文に書き換えると以下のようになります。
Must he run fast? 「彼は、速く走らなければいけませんか。」
答え方はYesまたはNoとmustを用い、以下のようになります。
Yes, he must. 「はい、走らなければなりません。」
No, he doesn't have to. 「いいえ、走る必要はありません。」
「いいえ」と答える場合は、No, he must not.ではありません。
No, he must not.は「いいえ、走ってはいけません。」という禁止の意味なので、「走らなければいけませんか。」という質問の答えとしては不自然です。
「走らなけれいけませんか。」という質問に対していいえで答える時は、「いいえ、走る必要はありません。」と答えるのが自然です。
よって、「〜する必要はない」の意味を持つdon't(doesn't) have toを用います。
have toは、mustと同じ「〜しなければなりません」という意味をもつ助動詞で、don't(doesn't) have toはその否定形です。
次に、mustの持つ推量の意味「〜にちがいない」について解説します。
実際に、推量のmustを用いた以下の文をみてみましょう。
He must be a famous singer. 「彼は、有名な歌手にちがいない。」
助動詞の後ろは必ず動詞の原形なので、この場合be動詞はisではなく、原形のbeとなるので注意しましょう。
義務「〜しなければならない」のmustはhave toと同じ意味を持ち、書き換えができますが、推量「〜にちがいない」はmustにしかない意味です。
そして、推量の否定文はmustの後ろにnotを付けたmust notではありません。
日本語で「〜にちがいない」の否定は、「〜のはずがない」となります。よって、否定文はcannot「〜のはずがない」を用い、以下のようになります。
He cannot be a famous singer. 「彼は、有名な歌手のはずがない。」
推量の疑問文もMust 〜 ?という形ではなく、可能性canの疑問文Can 〜 ?「いったい〜だろうか」を用い、以下のようになります。
Can he be a famous singer? 「彼は、有名な歌手だろうか。」
答え方は、Yesにはmust、Noにはcannotを用い、以下のようになります。
Yes he must. 「はい、彼は有名な歌手にちがいありません。」
No he cannot. 「いいえ、彼が有名な歌手のはずはありません。」

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